包装協議会 平成23年11月開催
「医薬品包装の傾向と特色」について
医薬品包装は、当然一般の包装に比較して、湿度、温度、光線などの環境からと、衝撃から内容物の保護のすることで薬効を長期間の保持する性能もとめられる。
又、医療用薬品の取り違えによる医療事故防止と医療品用薬品のトレーサビリティー確保のため、厚生労働省から通知に発行され、医薬品の容器包装にバーコード表示が実施されるようになりました。今後は内服薬、外用薬の調剤包装単位でのバーコード表示が必要となってきます。
当然、医薬品は、医療従事者によって間違いなく取り扱われるために下記のよう事を留意された医薬品とその管理を行うことが必要となります。
1在庫管理 薬剤名、規格、使用期限の見やすさ、
棚への取入、取出しやすさ等
他の製薬剤と取り間違いをしない明確な区別、
制癌剤等の危険度の高い薬剤3取扱の容易さ
2患者への医療処置の現場で
開封、投与やセットのしやすさ
ダブルパック輸液製剤等での未開通投与、注射薬での針刺し事故
3廃棄性 ごみの種類が判別しやすい包装
分別の時、薬剤に被爆したり、けがをしないような包装。
現在、薬剤の包装については、PTPシートが保護性、開封性、衛生性、安全性、識別性に優れかつコスト的にも有利なので、錠剤、カプセルなどの内用薬で主要な包装形態となっている
(PTPとはヨーロッパより導入された包装形態で、PVC,PPなどのプラスッチクシートをポケット状に熱成形し、そこに錠剤、カプセル等の固形製剤を充填しアルミ加工箔
及びOPA等でヒートシールしたユニット包装で、内容物を成形材側から押出しアルミ箔を破って錠剤を取出して使用する包装。
(国内医薬品剤型分類別生産金額 総額 6.620.091百万円 錠剤3.391.899百万円
51.2% カプセル剤 422.051百万円 6.4%)
医療事故の防止と医療用医薬品のトレーサビリティの観点からバーコード表示の実施が緊急の課題となっている。
欧米においては偽薬、横流し品による医療事故、甚大な損失に重点があり、現在は商品コード、ロット、有効期限だけでなくシレアル番号を個装箱記載する動きもある。
日本においては、人的ミスによる薬の調合ミス、患者への薬の取違い等の医療事故の防止に重点が置かれているように思われる。
下記のよう事を留意した医薬包装が開発されている。
ホログラム印刷、UVや赤外線に反応するインキの使用等で偽造防止を行う。
誤飲防止の為、乳幼児難開封性容器の使用。
バーコードリーダーの読み取り精度の向上のために、材料、加工工程、機械等の全
を考えた改造と改良をする
バーコードを利用して、個別の薬の納品、在庫管理、医療処置、患者への投与までコンピュータにより一元管理を行うシステムの開発等。
まとめ
2012年には団塊の世代が65歳に達し始め、厚生省の試算によれば2035年には3人に1人が65歳以上になる。人は加齢とともに身体機能が次第に衰えて、視力の低下、指先、手の力も弱くなって指先の制御機能が低下する。その結果サイズの小さいものを掴む、開ける、重いもの持つといったことが困難になる。このような実情を踏まえ、これからは老若男女を問わず健常者にも障害者にもすべての人に配慮して取り組むパッケージ開発が望まれている。特に、医薬品包装においては、配色、表現、表示などを工夫するとともに指を切ったり、やけどしたり、誤飲しないように危険を避けるよう心掛けねばならない。今後試行錯誤を繰り返しながら成熟へと進化すると思われる,その実現にむけてさらなるイノベーションが求められている。