包装協議会 平成24年12月開催
「東京国際包装展2012」の出展の傾向と特色について
当包装展は、包装資材、包装機械を合わせた包装展となっており、現在の包装業界の
動向を検討するうえで、最適な展覧会となっている。
TOKYO PACK 2012が本年10月2日-5日の4日間、東京ビックサイドにて
出品社総数590社 出品小間数2269の規模にて開催された。
包装資材の分類別に比較すると、紙・板紙製品、プラスチック製品が数量、金額が伸び、その他の(金属、ガラス、木製品)が数量、金額が減少している。紙・板紙製品、プラスチック製品が金額ベースで70%以上を占め、包装資材の主流となっている。
紙・板紙製品については、リサイクル及び環境問題を意識し、消費者が分別等の必要のない紙製品(液体紙パック等)、個包装として美粧ダンボールが採用されて増加している。段ボールケースについては、原料の薄物化、古紙使用率の増加、及び、簡素化(トレイ、スリーブ化) 、段ボールの形状を工夫して商品の緩衝性、固定した単一素材の段ボールが増加している。機能性段ボールとして、輸出用の高強度の段ボール、ハニカム構造の段ボール、保冷、鮮度保持の段ボールが出展されていた。
プラスチック製品については生活習慣の変化、商品の物流の変化等対応して、プラスチック製品のその加工性の安易さ、材料の安価等の利点から、他の包装資材の代替品として、使用量が増加している。プラスチックフイルムについては、ガスバリヤー、鮮度保持、電子レンジ用フイルム、アルミ蒸着又、特殊複合フイルムとして電磁波防止、導電、耐熱等の機能の付加した商品が出展されていた。プラスチック成型品については、飲料をはじめとするPETボトルの使用率が増加している、又リサイクル方法も従来のモノマーにして再利用するのではなく、PETをフレイク状にして再利用することで低コストでの再利用する技術が開発された。又、材料の薄肉化、壊しやすい形状の成形など、リサイクルしやすい環境問題に配慮した商品が多数出展された。
包装機械を分類に比較すると充填機、製袋充填機の分類の金額は増加しているが、他の分類の金額は減少している。特に、包装計量機、罐詰機械、上包機等が包装形態の
変更により金額を大きく減少させている。
各包装機械メーカーは、従来の機械の入替の需要が喚起するために、下記のようなポイントを考えた機械を製造している。
1、商品の多様化に伴い、サイズの変更、形状の変更、材料の供給、製品の搬出をフレキシブルに対応できる機械の製造。
2、従来の機械を高速化、大型化し生産効率を上げると同時に、簡単、安全に安定した製品ができるようにデジタル化し未熟練の作業員が、簡単にオペレーションできる機械の製造
3、従来と違って、省電、エネ、リサイクル等環境問題を意識し、又、消費者の安全、安心ためにトレーサビリティ―等を配慮した機械の製造。
上記のような機械は、いずれもコンピューターを駆使して生産工程を一元管理、製品のサイズ等の自動設定、各種ロボットの使用、各種センサーを利用しての品質管理された商品の製造ができる機械を開発し、製造ライン全体をマネージメントしてトータルコストを削減し、ユーザーのニーズに答えた機械を製造している。
結論
今回の包装展は、循環型社会を構築するため総量減量(リデュース)再使用(リユース)再利用(リユース)をテーマした新製品の開発、今後のトレンドとしてトレーサビリティーを主体として衛生、安全の管理注目されている。
しかし、今回包装展が従来の包装展と大きく異なっていることは、未曽有の震災により東北だけでなく関東園でも建物の損傷がおこり、交通網も広域でマヒし、消費者の意識が大きく変化した。
それは大震災後の物資の不足の中でネット通販の利便性認識され現在ネットでの購入、宅配業者活用する人が増加している。また日常の地域情報の重要性が再確認されライフラインとして携帯電話だけでなく地デジ、ケーブルTVが有用性が確認された。
今後は動向として、ジャストタイムに代表される従来の物流から備蓄を意識した包装と物流、またアマゾンなどに代表されるネット販売、スーパーなども宅配サービス等で販売ルートの変化に 対応した包装と物流が必要になると思われる。