2019年 年頭のご挨拶
平成三十一年(2019) 年頭所感
東京包装協会 会長 福本 芳久
新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は一般社団法人東京包装協会の運営に対し格別のご理解、ご協力を賜りましたことを心より感謝を申し上げます。今年は、平成から新しい元号に変わり、東京オリンピック、大阪万博などの準備が急ピッチで行われると思います。
二〇一八年を振り返りますと、年前半は米経済が減税効果もあり好調さを維持し、ユーロも金融の量的緩和の終了などを行い景気も緩やかに拡大しましたが、トランプ大統領が関税引上げをはじめとして貿易戦争が世界経済のリスク要因になっております。特に、安全保障を含めた対中国に対する強硬姿勢がエスカレートすると、世界全体が不安定状況になることが懸念されております。
日本においても夏以降全国にわたり災害が相次ぎましたが、景気については消費及び設備投資増加があり回復軌道にあります。しかしながら人件費をはじめとするコストの上昇、米国を始めとする通商摩擦の影響もあり景気の先行き悪化が懸念されます。
二〇一九年は昨年後半からの政治的に不安定な状態が続き、在庫調整局面、米国、ECなどの金利の上昇、米中対立の激化などで世界経済の減速が見込まれます。
こうした中、日本経済は2018年度1.1% 、2019年度0.9%の成長が見込まれています。外需の寄与率が低下して内需が相対的に重要性を増すなか、消費税の増税などによる景気の減速が心配され政府の経済の好循環を達成するための政策が必要だと思われます。
昨年のわが包装産業界がどのように推移したかを見ますと、全国段ボール工業組合連合会の需要予測によると、平成三十年の段ボール需要は堅調なペースで推移し 1-10月累計では11億8411万㎡(前年比101.3%)程度となる見込みです。内訳をみますと、前年比では需要部門としては「通販・宅配・引越し用」、「包装以外」が4.9%の増加し、又「電気器具・機械器具用」「食品」が2-3%と安定した伸びを見せております。
又、鉄鋼、製紙、石化と原材料の価格高騰による、価格改定が相次ぎコストアップ分を転嫁せざるえない状況が続きました。
政府が働き方改革等の施策により我々のような中小企業が多大な影響を受けるようになり、インターネットで自由に情報が検索できる今、得意先、仕入先に満足してもらうためには、各社のできる範囲の中で仕事内容を特化し、会社維持存続発展するために仕事内容を取捨選択することが大事になると思われます。
当協会はこのように変化する社会の中で、協会会員の発展のために皆様との連携を密にしながら、情報の発信を提供していくことを考え事業活動を展開していきたく思います。本年も会員、関係各位のご指導ご協力のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。