H27年 包装界合同新年会 ご挨拶
年頭所感
近未来を見据えた次世代包装の開発に向けて
公益社団法人 日本包装技術協会
会長 尾崎元規
M. Ozaki
平成27年の新春を迎え,謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は,消費税率引き上げやそれに伴う消費の低迷,さらに急激な円安などの影響によって,景気の回復に対する反動がみられましたが,全般的には緩やかな景気の回復が続いた年でした。しかし一方で,予期せぬ多くの自然の脅威に驚かされた年でもありました。被災された方々が,一刻も早く従来の生活に戻れますようお祈り申し上げます。
本年は,先の震災や昨今の災害からの復興を加速させると共に,地域経済の活性化をはじめとする成長戦略に対するきめ細やかな取組みを通して,官民一体となって経済の好循環を全国に拡大させ,国民生活の向上を図っていくことが最優先課題となるかと存じます。
このような情勢の中で今,包装産業は近未来を見据えた次世代包装に対する新しい挑戦が始まっており,包装産業のみならず,あらゆる関連分野からの協力のもとで共に考え,取り組んでいくことが課題となっています。環境保全の面からは,廃棄物および環境汚染物質への対応や3R(リユース,リデュース,リサイクル)の強化によるより高度な環境調和型包装の開発を進めると共に,高齢化社会への対応という面からは,適正表示の強化やアクセシブルデザインの促進など社会ニーズに対応するより進化した包装の開発や改善が期待されています。さらに,国民の食品に対する安全・安心への関心は大変高くなっており,食の信頼に向けた包装技術のさらなる高度化への取組みは,社会的な広がりを見せている食品のロスや廃棄の低減への取組みと共に,これからの大きな課題となっています。
協会はこのように世界各国で次世代包装への関心が高まる中,昨秋,東京パック2014(東京国際包装展)を開催しました。内外からの17万人を越える来場者にとりまして,本展が,これからの包装を考える上での大きな指針となったことと確信しますと共に,この成功が包装産業のさらなる活性化に貢献することを願ってやみません。
協会では,本年もまた基本事業であります包装適正化の推進や次代を担う包装人材の育成事業等のさらなる充実と,社会のニーズに応えるより高度で進化した包装への取組みの強化等,公益事業の推進と強化に叡智と努力を傾注し,豊かな社会の構築と活力ある包装産業の実現を目指して進んで参りたいと存じます。
会員の皆様方をはじめ,関係各位のますますのご支援とご高配をお願い申し上げます。